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「巨大絶望システム図」遂に完成!!

まともなビジネスは、お客にお金をもらって、その価値を味わってもらったかどうか考える。しかし、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」のシャイロックも顔負けの高利貸は、お客を自殺や夜逃げに追い込み、一方自分だけはボロ儲けしたいビジネスだ。

宇都宮健児氏(弁護士)によれば、

「大手サラ金は、よくテレビのCMなどで『ご利用は計画的に』などと宣伝していますが、一般の消費者であれば誰でも年二五~二九・二%もの 高金利の借金を長期間利用していると、必ず家計が破綻し生活が破壊されることになります。(中略)大手サラ金は、銀行や生命保険会社などから年二%台の低金利で資金調達を行い、これを年二五~二九・二%もの高金利で貸付けを行っているので、まさに貸せば 貸すほど利益が上がる状態となっています」
(「消費者金融」岩波新書)

例えば、年利29%で100万円を1年間貸せば、1年後は29万円増える。100万円を年利2%で貸してくれる人がいて、その100万円を29%で貸せば、1年後は27万円儲かる。

しかし、サラ金は、「今、お金がない人」を対象に貸すのである。それなら担保は何だろうか。それはお客の「労働力」であり「親類・縁者の情報」 である。 保証人がいなくても、これらがあればお金を得ることができるのだ。まず「労働力」であるが、月給30万円の人に年利29%で400万円貸したら、金利分として年116万、つまり毎月約10万円を一生払い続けてもらえばいいのである。

取り立てはすごい。最近聞いた話。払えなくなり、会社に電話がかかるようになる。当人はもちろん、まわりも仕事にならない。辞めざるを得なかった。 退職金分が残っていたので、それを支払いに当てたという。 彼にホームレス以外の生き方はあるんだろうか?

〈サラ金でああホームレス世も末だ〉

また、「親類・縁者の情報」も立派な担保といえる。

例えば、親なら子供が苦しんでいたら放っておかないだろう。 夜逃げや自殺よりましだと思い、 「今回限りだぞ!」と言って払ってくれるかも知れぬ。 親類縁者へのおどかし電話も何らかの効果があるかもしれぬ。15年ぐらい前のことだった。

巣鴨信用金庫の当時田村冨美夫理事長(故人)が、親しい人に、 「うちはサラ金に金を貸さない。社会問題がこわいから…」と言っていた。 この銀行はマジメで、バブルの時代にも浮かれなかったという。

今、銀行とサラ金の関係はどうなんだろう。 最近ビックリしました。 なんと、昔の一流銀行が今ではサラ金と組んでサラ金を始めてしまったようだ。

〈銀行もサラ金始めた世も末だ〉

30年以上前のことである。

仲間に落ち着きがあり、仕事もできるエリート天才(東大出)がいた。 ただ、ギャンブル好きで皆から借金をつくってしまい、ついに身内が会社へ来て清算をした。そして東京から大阪へ飛ばされた。そこでまたギャンブル。ついにサラ金からまで断られ、「カッ」となりその場で殺人。

新聞・週刊誌にも大きく載った。

当時が「サラ金」という言葉の始まりだったと思う。人間、追いつめられると、たどり着くのは「殺人か自殺」なのか。 今、自殺者は右肩上がりで年間3万人という。 自己破産件数は16万人。多重債務者は150~200万人という。 交通事故死は年間1万人なので10年に1人ぐらいは身近な人がいる。 この倍率を考えると、身近に自殺者や多重債務者がいてもおかしくない。

〈殺人か自殺かどっち世も末だ〉

ところで最近のマスコミは、もう偉そうに理論武装できなくなった。サラ金広告をしているからである。

お客を不幸にするビジネスで伸びるには甘いマスコミ広告をたくさんするしかない。 社会問題解決を偉そうに提言していたマスコミが、自ら社会問題をつくり出し始めたのである。マスコミの健康体とは「読者に役立つ広告」と「自由な意見」である。

一時的なお金欲しさにサラ金広告という麻薬に手を出してしまった気がする。もう麻薬は止められないだろう。

〈マスコミも麻薬を始めた世も末だ〉

今、我々は危ない銀行に無利子でお金を貸し、銀行は国の借金手助けの国債を 買ったり、サラ金にお金を貸す。サラ金は自殺者・犯罪者をつくりながら大儲け。

ご意見が売りのマスコミはサラ金だけには沈黙。 (ところで、わが世の春のサラ金は儲けた金を何に使うか?) こんな巨大な絶望の右肩上りシステムが日本にできつつあるのでは?

〈絶望の巨大システム世も末だ〉

しかしだ!今、日本は平均寿命世界一。世界一の債権国。 個人貯蓄世界一(?)。世界一ですぞ! しかも、まだ殺人は少ない平和な島。

おまけにサラリーマンノーベル賞も誕生! サラ金に対し、サラノーベルだ。

「永田町・霞ヶ関」と「銀行・マスコミ」を信じなければ、まだまだ快適に生きる道があるかも知れぬ。お互いガンバロー。 「何をガンバルの?おじさん」 「巨大絶望システムの中でも種を蒔いている人がいるよ。 田中康夫知事やイエローハットの鍵山さん、ドトールコーヒーの鳥羽さんなんか新しい芽が出て育ち始めたよ。 マスコミや国をなぎ倒し、力強く育ち始めた。面白くなってきたねぇ。

あんたも種蒔きを楽しめよ!お若いの」(記 2002.06)

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