世界中の人に、箸に興味を持ってもらいたい。
そのために国際箸学会で行っていることの一つが
「箸ピーゲーム」だ。
箸を使い、殻付ピーナッツを一分間に
何個移動できるか競い合う。
この箸ピーゲームの公式大会に毎年参加し、
常に上位の成績を収めているのが長野の児童養護施設・愛育園の子どもたちだ。
愛育園の藤本光世園長は言う。
「こうした行事に真剣に取り組むことで、子どもが自らを伸ばすようになる。
計画・準備・練習を徹底的に一緒にやり、去年よりも今年、今年よりも来年と
子どもたちの能力を引っ張り上げるのです」
大会が近くなると子どもたちは毎日練習し、記録をグラフ化。
右肩上がりなら嬉しいし、他の子に抜かれれば悔しい。
互いに切磋琢磨することで、記録が向上していく。
2016年の公式大会の予選では、愛育園のひなちゃんが
右手178個、左手133個、合計311個という大記録を樹立した。
本選ではピーナッツを落としてしまったが、あきらめず、ひたむきに最後まで奮闘。
記録更新こそならなかったが、2位に10個の差をつけて優勝した。
この様子はNHK長野放送局「知るしん。」で放送され、大きな感動を呼んだ。
ゲームの時、愛育園の子どもたちは礼儀正しく正座をして、実に器用に箸を使う。
我々大人も子どもたちを見習って、真剣に箸ピーゲームにチャレンジしている。 (記 2016.12)